「決断」「スランプ」「ミス」…将棋の羽生善治棋聖が説く「その時どうする」

 将棋の永世七冠を達成し、国民栄誉賞も受賞した羽生善治(はぶ・よしはる)棋聖(47)が、6月6日から始まった「ヒューリック杯棋聖戦五番勝負(産経新聞社主催)」の開催地、静岡県沼津市で4月、「決断力を磨く」と題して講演した。会場の沼津市民文化センター大ホールを埋め尽くした約1500人の聴衆は、三十年余の棋士人生で得た教訓を1時間半にわたって語る羽生棋聖の一言一言に熱心に耳を傾けた。

どう決めるか

 羽生棋聖によれば、将棋は対局開始の時点で30通りの選択肢がある。対局が進むと平均約80まで増えるが、棋士はそれを1秒にも満たない「直感」で2~3までに絞るのだという。

 直感とは、すなわち経験がなせる技で、次いで棋士はこの直感により選び取った2~3の選択肢の「先」を「読む」。

 しかし、羽生棋聖によると、先の先…例えば10手「先」となると選択肢は3の10乗通り考えられ、もはやそこまで「読む」ことは人間には不可能となる。

 そのとき棋士が使うのが、「大局観」だ。すべての経験を振り返り、方向性や戦い方を決める。

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