京大立て看板 規制反対派の学生が語る

 京都大吉田キャンパス(京都市左京区)周辺の立て看板(通称・タテカン)の撤去をめぐる問題で、大学側による規制に反対する学生2人が産経新聞の取材に応じた。2人は学生らで組織する「立て看規制を考える集まり」準備会に所属する文学部4年の男子学生(22)と博士課程3年の男子大学院生(27)。表現の場を奪われた戸惑いや怒り、大学への不信感について語った。(小川恵理子、桑村大)

 《吉田キャンパス周辺の立て看板が京都市の景観条例に違反するとして行政指導を受けた京大は昨年12月、設置場所や時期を規制する学内規定を策定。規定を施行した今年5月1日、撤去を求める通知書を貼り出し、13日に全て撤去した。しかし一部が学生らによって保管場所から持ち出されて再び設置され、大学側は18日に再撤去した》

 --これまで条例違反を理由とした撤去要請はあったか

 学生 なかった。「危ない」という苦情があったときや長期休暇の前、台風前は自主撤去を求められた。

 --内容が一目で分からないタテカンもある

 学生 今は無責任なタテカンが多い。言いっぱなしや立てっぱなしが許されるとは思っていないし、全てを肯定しているわけではない。

 --タテカンに条例を適用することは

 学生 都市景観の維持向上のために、表現の自由をどこまで制約してよいかということは、個々のケースに応じて慎重に検討されるべきだ。

 --一定の設置ルールは必要だと考えているのか

 学生 大きさのガイドラインは設けるべきだ。景観、美観の点は分からないが、通行人への危害防止という観点はわれわれとしても否定できない。

 院生 それなのに現状は、大学が一方的に通告を出し、話し合いもままならない。

 --規定の策定前に、大学側からアプローチは

 学生 京都市から行政指導を受けたと昨年11月、大学から学生向けに通知があった。規定ができるとの噂が流れ、突然12月に規定が公表された。

 --話し合いの要求はいつから、どんな活動を

 学生 2月。要求書を出したが「すでに決定した内容なので回答しない」と回答があった。抗議声明を出し、再度話し合いを求めたが拒まれた。

 --なぜタテカンにこだわるのか

 学生 タテカンは一つの重要な手段。SNS(交流サイト)などは受け取る段階でえり好みをする人もいるが、タテカンは文言が(自然と目に)入ってくる。ユニークなメディアで、代替不可能だ。

 --5月は撤去、再設置のいたちごっこが続いた

 学生 現状でいいとは思っていない。タテカンを守る上でプラスに働かない。他団体にも状況が良くなるわけではないと説明している。

 --学生や団体によって大学に対する態度は違うのか

 学生 (団体によって)スタンスは違うし一枚岩ではない。僕らの団体は、今後もイベントの告知など必要な時は出すが、その場にいて職員から看板を下げろといわれたら下げる。

 --最終的な着地点はどのように考えているか

 院生 出した物に責任を持つように、学生側で自主管理するような枠組みや組織をつくることは考えている。学生も地域の声は常に気にしている。

 --大学が対話に応じない中で今後どうするか

 学生 一律禁止ではない落としどころを見つけることが、多くの人が納得できる解決策だが、落としどころは見えない。合意形成は難しいが、だからこそ(大学が)説明責任を果たさないといけない。

 院生 学生側としては対話を求めていく。

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