「おいしい水道水」 銘酒の仕込み水は「東京水」 浄水器も多様化

 敷地22坪の4階建ての住まいを改装した酒蔵は、徹底的な省スペース。「限られた環境で最良の酒を造る」と寺澤杜氏は意気込む。水道水は濾過(ろか)調整などはせず、洗米、酵母の培養(酒母)、三段仕込み…とすべてに使う。瓶詰め・ラベル貼りも手作業。2人の蔵人と1升瓶換算で年間1万本強を醸造するが、貯蔵スペースもないため絞った酒は直ちに出荷。その分新鮮ということだ。酒蔵1階の販売コーナーのほか都内約10軒の地酒専門店、銀座三越で販売している。

 折しも北区の「丸真(まるしん)正宗」小山酒造が、今月末での清酒製造事業からの撤退を表明しており、「東京23区唯一の酒造」の立場を引き次ぐ形ともなった。

 ◇

 都水道局では5年前、利根川・荒川水系の高度浄水処理100%を達成。カビ臭のもとになるトリハロメタンをオゾンで酸化分解、微生物活性炭で不純物の吸着・有機物処理などを行い、塩素も低減化した。「国より厳格な独自基準を定め、『どちらがおいしいか』を問うブラインドテストでは、市販のミネラルウオーターと五分五分の結果が出ています」と水道局総務部。

 平成16年から製造する水道水のペットボトル「東京水」も28年までに430万本を配布・販売。今月25日の東京マラソンに合わせて開く応援イベントでも配られるという。

 ◇

 水道水がおいしくなっても、蛇口までの配管が心配という向きもある。日本の家庭用浄水器の普及率は4割弱。今月、三菱ケミカル・クリンスイが開いた商談展示会では用途別に進化を遂げる浄水器が並んでいた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ