声とるか、命とるか…甲状腺がんで諦めかけた命 河内家菊水丸さん

【ゆうゆうLife】病と生きる

 伝統河内音頭継承者 河内家菊水丸さん(54)

インタビューに答える伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸さん=大阪市中央区(沢野貴信撮影)

インタビューに答える伝統河内音頭継承者の河内家菊水丸さん=大阪市中央区(沢野貴信撮影)

 アルバイト情報誌のCMソング「カーキン音頭」を歌い、全国的にブレークした伝統河内音頭継承者、河内家菊水丸さん。ステージ4の甲状腺がんと診断され、手術しなければ余命は半年。しかし、手術すれば声を失う-。そんな選択を迫られた。声を温存してがんを取り除く医師に出会って手術を受け、12月には完治の目安となる丸5年を迎える。(聞き手 塩山敏之)

 平成24年10月、秋の文楽劇場の独演会で、演目の最後の一節で声を張ったところ、左の首に下から突き上げるような衝撃を感じたんです。今まで経験したことのない痛みでした。その直後から、食べ物がのみ込みにくい感じがして半月ほど違和感が続き、それが、魚の骨が喉に刺さったような痛みに変わったんです。

 病院で魚の骨を取ってもらおうとしたのですが、見つからない。念のためにと、エコー(超音波)検査を受けたんです。普通は首のあたりだけで終わるのですが、胸のあたりまで診てくれ、そこで「あっ」といって医師の手が止まりました。

 「甲状腺の左右に3つ、4つがんがあり、リンパ節にも転移している」と言われたんです。30歳以降、年2回人間ドックを受診もし、魚の骨を取ってもらうつもりだったのに…。「目の前が真っ暗になる」とかではなく、何が起こったかを冷静に分析しようと考えました。

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