くも膜下出血乗り越えて…歌手・大津美子さん、夫の分まで生きたい 感謝の気持ちを歌に

 名曲「ここに幸あり」で知られる歌手の大津美子さん(78)は3年前、夫の中條政人さんをがんで亡くした。自身も36年前、くも膜下出血で倒れ、生死の境をさまよった経験を持つ。公私にわたり支えてくれた夫の死。悲しみが癒えることはないが、「夫に救ってもらった命。心を込めた歌で恩返ししたい」と前を向く。(櫛田寿宏)

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 東京・六本木のレストランの総支配人をしていた夫と知り合い、昭和44年、31歳のときに結婚しました。その後は所属事務所の社長として私の歌手活動も支えてくれました。

 夫婦二人三脚の歌手活動が44年目に入った平成25年3月、夫が「背中や腰が痛い」と言うので、病院で検査したところ、肺がんと診断されました。進行していたため手術ができず、放射線と抗がん剤で治療することになりました。

 「病院は嫌だ」と在宅での治療を望んだのですが、7月に入院することになりました。病気になってからも元気で、亡くなる前の日も「家に帰るよ」なんて言っていたのに、容体が急変し、そのまま逝ってしまいました。あっけない最期で、いつも助けてもらっていたのに、何もしてあげられませんでした。

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 私自身、大病をしました。42歳のとき、くも膜下出血のため倒れたのです。

 〈くも膜下出血は「血管のこぶ」である脳動脈瘤(りゅう)が破裂して起こる。3分の1の人が発症時に死亡、3分の1が重い障害を負う〉

 夫がすぐに病院に運んでくれたので一命を取り留めました。手術直後は右半身がまひし、言語障害、記憶障害に見舞われました。まだ9歳だった長男のことも、夫のことも一時的に分からなくなってしまったそうで、「とてもショックだった」と、ずいぶん後になって息子から言われました。

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