【デキる人の健康学】ココナッツオイルで糖尿病が改善 中鎖脂肪酸がカギ

 前回のコラムでココナッツオイルで食欲をコントロールしてメタボを改善できる効能を紹介した。認知症の改善効果やメタボの改善効果はココナッツオイルの中の中鎖脂肪酸が鍵を握っている。

 商品により中鎖脂肪酸の含有量には差があるので、健康効果を期待するときにはラベルを良く見て中鎖脂肪酸の含有量が60%以上の商品を選択するようにしたい。また、中鎖脂肪酸は炭素8個のカプリル酸、炭素10個のカプリン酸、炭素12個のラウリン酸から構成され、ラベルにそれぞれの成分が表示されている商品もある。

 キャノーラ油、オリーブオイルやラードなどの一般的な油脂のほとんどが長鎖脂肪酸。長鎖脂肪酸は小腸から吸収された後、LDLコレステロールとしてリンパ管や静脈を通って脂肪組織や筋肉、肝臓に運ばれ蓄積されやすい。

 一方、中鎖脂肪酸は小腸から吸収されると門脈を経由して直接肝臓に入るため、分解効率は長鎖脂肪酸の5倍、分解産物であるケトン体は3時間でピークに達する。そのために大量に摂取しても、LDLコレステロールは上昇しない。

 唯一の副作用は下痢だが、一回の摂取量を減らすか、コーヒーや豆乳で乳化することにより下痢を改善できる。

 しかし、糖尿病で経口糖尿病薬を服用している人には注意が必要だ。ココナッツオイルにはインスリンの効きを良くして血糖を下げる効果があり、糖尿病を改善できるが、SU剤という経口糖尿病薬を服用している場合に低血糖発作が起きやすくなることが分かった。

 中鎖脂肪酸とSU剤は作用機序が似ていて、ココナッツオイルを摂取するとSU剤を増量したような効果が起きていることが判明した。糖尿病で治療中の人がココナッツオイルを摂取して低血糖発作が起きたら主治医に薬の減量を相談する必要がありそうだ

白澤卓二

しらさわ・たくじ 1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、呼吸器内科に入局。1990年同大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所病理部門研究員、同神経生理部門室長、分子老化研究グループリーダー、老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーを経て2007年より順天堂大学大学院医学研究科加齢制御医学講座教授。日本テレビ系「世界一受けたい授業」など多数の番組に出演中。著書は「100歳までボケない101の方法」など100冊を超える。

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