2年前の同居人死亡で男を逮捕 傷害致死・容疑者、資産を管理

 約2年前に同居の知人男性を日常的に暴行して死亡させたとして、大阪府警捜査1課は24日、傷害致死容疑で大阪府豊中市西緑丘の無職、藤尾明彦容疑者(63)を逮捕した。同課によると、「(男性が)嘘をつくなどしたので暴行がエスカレートした。なぜ死んだかは分からない」と容疑を一部否認している。藤尾容疑者は男性の資産や年金を管理しており、同課は暴力で藤原充司さん=当時(64)=を支配下に置いていたとみている。

 逮捕容疑は平成31年1月上旬~中旬、当時住んでいた同市内の集合住宅一室で、同居していた知人の藤原さんを殴ったり、蹴ったりするなどし、同月22日に死亡させたとしている。藤尾容疑者は当時、妻と藤原さんの3人で暮らしていた。

 捜査関係者によると、藤尾容疑者が同日、自ら119番。藤原さんはトイレの便座に座った状態で発見され、その場で死亡が確認された。藤尾容疑者は当初、死亡への関与を否定し、司法解剖でも死因は不詳とされたが、血液鑑定などの結果、今年3月に死因は全身打撲などによる敗血症性ショックと判明した。

 藤原さんの死後、藤尾容疑者は知人4人と「藤尾軍団」と称するグループを結成。同課は今年に入り、うち一部の知人から多額の現金などを脅し取ったとして藤尾容疑者を逮捕。藤原さんの死亡にも関与したとみて捜査していた。

「伊丹」騒音で知り合う/日常的暴力 精神的支配下に

 捜査関係者によると、藤尾明彦容疑者と藤原充司さんが知り合ったのは平成28年4月ごろ。藤尾容疑者は当時、大阪(伊丹)空港周辺に住んでおり、藤原さんは民間会社で空港の騒音などへのクレームに対応する仕事に従事していた。業務のため部下と一緒に容疑者宅を訪れるうち、飲食をともにする間柄になったという。

 藤原さんには借金があり、藤尾容疑者は弁護士を紹介するなどして債務整理を手伝ったという。一部を肩代わりしたこともあり、その返済などを理由に藤原さんに金銭を要求するようになった。

 当時、藤原さんには妻がいたが、藤尾容疑者が自宅に押しかけ、妻に借金のことなどを吹き込むと、藤原さんは妻から家を追い出されたという。30年6月ごろからは藤尾容疑者とその妻、藤原さんの3人で、豊中市内で同居を開始。同12月ごろに藤原さんの離婚が成立すると、事件現場となる集合住宅に3人で引っ越した。

 離婚を機に、藤原さんは自宅を売却。藤尾容疑者は、売却代金のうち藤原さんの取り分(1千万円)のほか、年金などを含む藤原さんの金銭の管理をするように。暴行を加えるようにもなり、藤原さんは翌年1月に死亡した。

 「注意しても言うことを聞かないので、暴力をふるっていた」と供述している藤尾容疑者。監禁などの身体拘束はないものの、府警は「しつけ」と称した日常的な暴行や、金銭管理を通じて精神的な支配を深めていったとみている。

 現場近くに住む女性は「(藤尾容疑者は)管理会社や近隣住民に『掃除ができていない』などと怒鳴るなど、クレーマーとして知られていた。(自宅の)部屋の壁に何かを打ち付ける音や振動が頻繁にあり、近所では『関わらない方がよい』とささやかれていたが…」と絶句した。

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