1型糖尿病 障害年金打ち切りの是非は 大阪地裁で17日判決

 ところが判決から1カ月後、国は「日常生活に著しい制限が生じていることをうかがわせる事情は見当たらない」ことを理由に3級が妥当とし、再び支給停止の判断をした。

 判決は、障害等級の認定基準が「抽象的」と指摘。原告勝訴の内容だった。しかし2級から3級に変更した是非は、迅速に審理を進めるために地裁が事前に争点から外していたため、国が改めて理由を示せば、不支給の継続が可能と解釈する余地が残っていた。

 9人は7月、支給を求めて地裁に再び提訴した。

 不支給が決まった28年当時、国は地域差が生じていた障害等級認定の審査方法を見直し、不公平の解消に向けた作業を進めていた。ただ国は翌29年について、「従前の障害の状態と同程度」なら、患者に不利益な等級の変更は実施しなかった。

 原告側は、29年に手続きをしていれば支給が続いたとみる。制度変更前の28年に支給を打ち切り、その後も判断を変えない国の対応は、平等の原則に反すると訴えている。

 これに対し国側は、過去に9人を2級と認定した理由は明かさないまま、改めて3級とした判断に誤りはないと主張し、結審した。

重い医療費負担

 「水と同じくらい大切」なインスリンには健康保険が適用されるものの、毎月の負担は約3万円。医療費は高騰が続く一方で、「指定難病」ではないため助成は受けられない。国の補助金を受けた調査によると、9割近くの1型患者が医療費を負担に感じ、全体の3割弱が治療費を“節約”しているという。

 滝谷さんは同じ1型患者で契約社員の夫、長男との3人暮らし。生活はぎりぎりで、病院の受診回数を減らしたり注射針を使い回したりしているのが現状だ。

 血糖値の管理は難しいとされ、普段は元気に見えていても「毎日死を意識する生活」は続く。目や神経などの合併症も少しずつ体をむしばんでいるという。

 「病気への理解が広がれば、患者全員に救済の道が開かれるかもしれない」

 滝谷さんはそう話し、2度目の裁判の先に希望があると信じている。

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