1型糖尿病 障害年金打ち切りの是非は 大阪地裁で17日判決

 血糖値を下げるインスリンが、生活習慣の乱れとは無関係に分泌されなくなる「1型糖尿病」の患者9人が、病状が改善していないのに障害基礎年金の支給を停止したのは不当として、国に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が17日、大阪地裁で言い渡される。国は平成28年に詳細な理由を明示しないまま年金支給を停止。当時9人が起こした別の訴訟で、地裁は「理由提示なき支給停止」を違法と結論づけたが、国は支給を再開しておらず、今回の訴訟の行方に注目が集まる。(西山瑞穂)

月額8万円失う

 「あの判決は何だったのか。見放されたと思い、初めて『なぜ私だけ病気に』と恨んだ」

 原告の一人で大阪府岸和田市の主婦、滝谷香さん(38)は令和元年5月、支給再開を認めないとする日本年金機構からの通知書に絶望した。

 過食など生活習慣の乱れが一因の2型糖尿病と異なり、1型は何らかの理由で膵臓(すいぞう)の細胞が破壊されたために起きる。国内の患者数は推計11万人超。根治は見込めず、インスリン投与が生涯欠かせない。

 滝谷さんは5歳で1型を発症。20歳で「日常生活が著しい制限を受ける」ことが要件の障害等級2級に認定され、14年間にわたり年金を受給した。ところが平成28年に突如、障害等級が年金支給対象外の3級に変更された。「3級の状態に該当したため」との通知だけで詳しい理由は明かされず、月約8万円の年金を失った。

2年前に「違法」判断

 1型の患者会「近畿つぼみの会」のメンバーで、継続を希望しながら同年のうちに障害基礎年金の支給を停止された人は滝谷さんを含め、30人超に上る。

 滝谷さんら患者9人は29年11月、国に支給再開を求めて大阪地裁に提訴。31年4月、地裁は明確な支給停止の理由を示さなかった国の手続きを違法と判断し、支給停止処分を取り消した。

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