「嫌われたくなくて…」少年にわいせつ自撮りをさせたオンラインゲームの濃密関係

 【衝撃事件の核心】

 「優しくてゲームが上手なお兄さん」の素顔は、思い描いたイメージとかけ離れたものだった-。オンラインゲームを通じて知り合った男子中学生にわいせつな画像を送らせたとして、大阪府警が昨年11月、児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で、大阪市の男(41)を逮捕した。男はゲーム上で17歳と偽って中学生に近づき、次々と無理難題を要求したという。男子中学生が男に従った背景には、ゲームの世界に構築されたいびつな人間関係があった。(木下未希)

嫌われたくなくて…

 被害者は、当時12歳だった男子中学生。令和元年12月、無人島を舞台に複数のプレーヤーが戦闘し、生き残りを目指す人気オンラインゲーム「荒野行動」で男と出会った。

 ゲームは数人で構成されるチームに分かれて戦い、チャット機能を利用すればプレーヤー同士がコミュニケーションをとれる。

 男は数人のメンバーを率いるリーダーで、チームへの加入を希望した男子中学生を招き入れた。ゲームで卓越した技術とリーダーシップを発揮する男を男子中学生はいつしか慕うようになり、無料通信アプリ「LINE」の連絡先を交換。1年あまりたったころ、男からこんなメッセージが頻繁に届くようになった。

 《下半身を見せて》

 男子中学生にとって、男は「優しくてゲームが上手で尊敬するお兄さん」。内心は嫌だったが、「嫌われたくなくて断れなかった」といい、要望に応じて下半身が露出した画像など数点を送付した。

 男は画像を同じゲーム仲間に共有したほか、ネット上で募った希望者に無償で送付。昨年9月に匿名の通報があり、発覚した。

 府警の調べに対し、容疑を認め、「児童にわいせつ画像を送らせたのはこれが初めて」と供述。しかし、その後の調べで、オンラインゲームで出会った別の男子中学生にも、わいせつな「自画撮り」の画像を送らせていたことが発覚。男のスマートフォンには約20万点もの児童ポルノ画像が保存されていた。

エスカレートする要求

 近年、若年層を中心に人気を集めるオンラインゲームだが、悪用され子供たちが犯罪に巻き込まれるケースは後を絶たない。

 12歳の少女にみだらな行為をしたとして、栃木県警は昨年6月、強制性交の疑いで、埼玉県内の40代の男を逮捕。さらに昨年9月には、小学4年の女児を誘拐し、2日半にわたって連れ回したとして、未成年者誘拐の疑いで、東京都葛飾区の30代の男が神奈川県警に逮捕された。出会いはいずれもオンラインゲームだった。

 匿名性が高い一方で、長時間のプレー時間を通じてときに濃密な人間関係を築くことができるオンラインゲーム。ゲームに熱中しながらチャットで何げない会話を繰り返すうちに、相手に思わぬ個人情報を教えていることがあるという。

 府警幹部は「相手からの要求はどんどんエスカレートし、今回の事件のように裸の写真を求められたりすることもある」と指摘。「近年はオンラインゲームが多様化し、人気が集まっているが、わいせつ目的などの人も紛れ込んでいることを念頭に注意してほしい」と話している。

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