同じ犯罪でも保釈率に差「不公平」 裁判官判断に懸念の声も

 弁護側関係者は「執行猶予が見込まれる罪で、ここまで勾留が長引くのは異例だ。2人の違いは認否だが、元公設秘書も実質否認だった。裁判所は具体的な罪証隠滅の恐れを測れていない」と批判する。

 ■増える再犯、逃亡

 刑事訴訟法では保釈請求について、逃亡や罪証隠滅の恐れがある場合などを除き、原則認めなければならないと定める。ただ、裁判官の判断に不信感を抱く声は多く、「保釈ありき」で偏った裁判官の存在を指摘する検察幹部までいる。

 実際、保釈をめぐっては問題が相次ぐ。法務省などによると、保釈中に逃亡し、保釈取り消しとなったのは平成28年の4人から令和元年には33人に急増。保釈中の再犯も平成15年は61件だったが、令和元年には285人となった。平成31年1月には、覚醒剤取締法違反罪で起訴され、保釈中だった元暴力団組員の男が射殺事件を起こした。

 別の検察幹部は「保釈した被告が逃亡や再犯をしても、判断した裁判官に何のおとがめもない仕組みがおかしい」と指摘。検察OBの弁護士は「地方の裁判所で、専門外の民事担当の裁判官らが持ち回りで保釈を判断していることにも原因があるのではないか」と推測する。

 こうした声に、裁判所関係者は「保釈率の高い、低いに正解はなく、弁護士、検察官の立場で評価も異なる。保釈の判断が形式的にならないよう、一件一件の事件の中身や被告の環境を具体的に検討することが重要だ」としている。

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