被災施設で被災者も舌鼓 福島・相馬 週末の観光イチゴ園

 福島、宮城両県で最大震度6強を観測した地震は、20日で発生から1週間を迎えた。福島県相馬市の観光イチゴ園では、栽培設備が落下したり、傾くなどの被害を確認。最盛期を迎えたイチゴへの影響も懸念されたが応急処置で復旧した。地震とコロナ禍の「二重苦」が続く中、20日は直売のイチゴが完売、イチゴ狩りを楽しむ被災者の姿も。大変なときに足を運んでくれるファンに、関係者は感謝することしきりだ。

 広さ2・2ヘクタールの同市の和田観光苺組合では、震度6強の揺れで高設栽培の設備が損傷。実ったイチゴも落ちたり、こすれたりして100箱近くが売り物にならなくなった。土耕栽培の畝も崩れるなどした。斎川一朗組合長(72)は「揺れは東日本大震災より大きかった」と振り返る。

 高設栽培は、高さ約1メートルのパイプ上に配置したベッドでイチゴを育てる方法。地震の揺れでパイプが壊れベッドが5カ所で落下し、10数カ所が傾いた。ベッドが傾くと水が均等に行き渡らず、イチゴの生育に影響する。15日に応急処置を行ったが「完全には直せなかった。本格的な修理はイチゴのシーズン終了後になる」(斎川組合長)という。

 この観光イチゴ園は、何度も困難に直面してきた。平成23年の東日本大震災の津波では直売所が2メートル以上浸水。令和元年の台風19号と大雨でも直売所が床上までつかった。さらに、昨年と今年はコロナ禍でイチゴ狩りの入場者が減少したため、直売や地方発送に力を入れてきた。

 20日は、直売用に普段の週末と同程度の322パックを用意したところ、午前中に完売。イチゴ狩りにも約100人が足を運んだ。娘2人と訪れた相馬市の女性(37)は「家は壁が割れてドアも開かず大変な状況。帰ったら片付けが待っている。毎年来ているけど、甘くておいしい」とつかの間の気晴らしを楽しんでいた。

 斎川組合長は「大変な状況のときに足を運んでもらえて、本当にありがたい」と話していた。(芹沢伸生)

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