地震→台風→地震 度重なる災害…そば店主、客の声で「営業続ける」

 福島、宮城両県で13日深夜、震度6強を観測した地震の被災地は、令和元年10月の台風19号がもたらした水害で被害を受けた地域と重なる。10年前には東日本大震災に見舞われ、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、幾重もの労苦が人々にのしかかる。今回の地震で廃業を覚悟した飲食店の店主は、客の声を受けて自身を奮い立たせた。ただ、人々の生活再建に向けた動きも緒についたばかり。天災がごみに変えた大切な家財道具が、仮置き場に次々と運び込まれていた。(吉原実、大渡美咲)

 「これまで廃業を考えたことはなかったが、今回はもう営業再開は難しいと初めて思った」

 福島県相馬市のJR相馬駅前にあるそば店「ふくしまや」。明治33年に創業した旅館がルーツだ。5代目店主の佐々木義剛さん(70)はこう話す。

 深夜の地震。周囲は暗く被害を確認できないまま、一夜を過ごした。14日朝、店のまわりにはガラス片が飛びちり、一昨年の水害で水を含んでいたしっくいの壁も剥がれ落ちていた。脳裏に廃業がちらついた。

 だが、振り返れば、これまでも災害に遭うたび、復旧させ、店を守ってきた。

 10年前の東日本大震災では店舗が傾き、半壊。東京電力福島第1原発事故で一時、県外に避難したが、2カ月弱で営業を再開した。

 台風19号では、床上約50センチまで浸水した。作業がひと段落した矢先、再び襲った大雨で床上約80センチまで水がきた。

 それでも、「ふくしまやの年越しそばを食べたい」という声に背中を押され、年末に営業を再開した。

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