震度6強でよみがえる記憶 近づく「3・11」…被災地に必要な心のケアは

 福島、宮城両県で13日深夜、最大震度6強を観測した地震。3月11日で発生から10年となる東日本大震災の記憶を被災地によみがえらせた。当時を思い出して不安を抱える人も出るなど、「心のケア」の問題が再び浮上しており、専門機関は「どんなことでも相談してほしい」と呼びかけている。(大渡美咲、大森貴弘、飯嶋彩希)

フラッシュバック

 「とりあえず出口を確保しなきゃ」

 宮城県名取市の70代の女性は揺れの瞬間、無意識に走り出していた。寝室から玄関までたどり着いたとき、東日本大震災を思い出して急に動けなくなり、ドアノブにしがみついた。揺れが収まっても、しばらくそのままだった。

 女性は10年前の震災で娘を亡くした。今回の地震の翌日から、生前の娘や遺体を捜し歩いた当時を思い出し、急に涙が出るように。「これをフラッシュバックって言うのかな。突然、頭に浮かぶんだよね…」。震災の月命日のたびに体調が悪化した時期もあり、今後どうなるか不安が募る。

 「東日本大震災で壊れた建物の写真が頭に浮かんで、すごく怖くなった」

 同市の小学校に通う6年生の男児(12)は恐怖で身が固まり、布団から出られなかったという。

 3・11の記憶はほぼない世代だが、男児の通う小学校は震災当時、避難所となり、多くの被災者が生活していた。学校では防災教育の一環としてそのことを積極的に児童に教えていたが、命を守る意識とともに、恐怖も強くすり込まれていた。

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