医療従事者に感謝を込めて大阪伝統野菜「難波葱」加工食品を無償提供

 新型コロナウイルスの感染拡大で大阪府内にも緊急事態宣言が出される状況下、免疫力を高める効果が高いとされる大阪の伝統野菜「難波葱(ねぎ)」を使って開発した加工食品を、感染者らの治療にあたる医療従事者に無償提供するプロジェクトが、難波葱の普及に取り組む人たちによって進められている。

 難波葱は、葉の繊維がやわらかく、包丁で切ると糸が引くほどの強いぬめりが特徴。大阪では江戸時代から盛んに栽培されていたが、機械での加工に向かないことから一時は市場から姿が消えかけた。しかし近年、ぬめり成分には自然免疫力を高める働きがあり、難波葱には通常のネギよりも豊富に含まれていることが、国の研究機関によって検証された。

 これに着目したのが「難波葱の会」、「NPO法人浪速魚菜の会」といった難波葱の普及に取り組む市民グループや産地である大阪府松原市の生産者。難波葱の効能を社会貢献活動につなげようと昨年8月、「大阪難波葱普及委員会」を結成し、効能を生かしたまま手軽に食べられる加工食品を開発して、感染症に立ち向かっている医療従事者に提供するプロジェクトを立ち上げた。

 商品開発は米穀卸売業の「幸南食糧」(松原市)と無印良品を運営する「良品計画」(東京)が協力。試作を重ね、難波ねぎごはん▽難波ねぎスープ▽難波ネギせんべい-の3種類が完成した。医療従事者への提供については、昨年12月下旬から1月上旬にかけてクラウドファンディングで資金を募り、166人から約400万円が集まった。

 同委員会は、2月上旬にこの3品をセットにした5千セットを、府内の各病院に届ける計画。ほぼ同時期に一般販売も始める予定にしている。3月には第2弾の無償提供を実施したいとしている。

 委員会の難波りんご代表(66)は「コロナ禍で行き場を失った難波葱を無駄にしなくてすみますし、感染リスクの中、がんばってくださっている医療従事者に感謝の気持ちを伝えたい」と話している。

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