ステイホームで追悼 母亡くした西川さん「どこにいても思い変わらず」

 阪神大震災で母を亡くした神戸市兵庫区の西川昭彦さん(64)は17日、自宅で追悼の日を迎えた。「これからも見守ってほしい」。犠牲となった母の昭子さん=当時(66)=の仏前で静かに手を合わせた。

 西川さんの自宅は、創業100年となる花屋「花保(はなやす)」の店舗を兼ね、亡き母が何よりも大切にしていた場所だった。目に浮かぶのは、花の香りが充満する店先で、常連客と楽しそうに笑い合う母の姿。おしゃべり好きな昭子さんは、店の看板でもあった。

 26年前のあの日、その店舗兼自宅の一部が崩れ、一階で寝ていた昭子さんが下敷きになり亡くなった。発生からまもなく、西川さんは仮設店舗を構え、花屋の再起に奔走し始めた。妹の恵子さん(62)も長年勤めていた会社を辞め、店を手伝うように。「母の愛した店を守りたい」。思いは一緒だった。

 今年は新型コロナウイルス対策として、複数の追悼行事がオンライン中継され、ステイホームでの追悼も推奨された。西川さんは店先で、昭子さんの亡くなった方角を向きながら、黙祷(もくとう)をささげた。

 「26年たっても心の寂しさはそのまま。新しくなった店や孫の成長を見せてあげたかった」と西川さん。「どこで祈りをささげようと思いは変わらない。毎年この日に、あの日を思い出すことこそ、大事なのだと思います」と、母と過ごした日々を追想していた。

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