「真面目で実直」 吉川被告、自民党内から信頼も「脇甘い」の指摘も

 鶏卵生産大手「アキタフーズ」グループ元代表から現金500万円を受け取ったとして、収賄罪で在宅起訴された元農林水産相、吉川貴盛被告(70)は、地元・札幌では「真面目で実直」と評され、自民党内では経理局長を3度務めるなど信頼が厚かった。一方で落選を2度経験して「選挙は弱い」と言われ、大臣在任中に口利き疑惑が浮上するなど脇の甘さもうかがえた。

 吉川被告は北海道議を経て、平成8年に衆院議員に初当選した。当初は経済産業副大臣を務めるなど「商工族」議員の色が強かったが、25年に農水副大臣に。ある党幹部は「北海道の農水族議員が次々と引退し、吉川被告が農水族議員として尽力する必要があったのではないか」と分析する。

 農水副大臣に就任して以降、贈賄側の秋田善祺(よしき)被告(87)との付き合いが始まった。ただ、吉川被告の仕事ぶりを評価する声は多い。

 地元の党関係者は「勉強家で政策通。目立たないが地道に仕事をする」。後援会幹部は、国から除雪関係の予算拡充を勝ち取るなど「地元に欠かせない人だった」とほめる。党資金を管理する経理局長には3度就任。別の党幹部も「あの人に任せたら間違いない」と信頼を寄せていたという。

 一方で「シャイで、知らない人とは握手したがらない」(支援者)という性格で、2度の落選を経験。菅義偉(すが・よしひで)首相が吉川被告の支援者らの会合で「彼は仕事はできるが選挙が弱い」などと笑いを誘ったこともあった。

 農水相在任時には、北海道の太陽光発電事業の補助金詐欺事件で口利き疑惑が浮上し、会見で否定に追われたことも。関係者によると、実際は事務所関係者が経産省の担当窓口を伝えただけだったという。

 支援者は「人が良すぎる」とも指摘。贈収賄事件で吉川被告は「一方的に現金を置かれた」などと説明しているが、「ちゃんと返さなければ受け取ったのと一緒だ。脇が甘い」と突き放した。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ