元農水相起訴 「現金趣旨が焦点」「癒着常態化か」

 鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの秋田善祺(よしき)元代表が、衆院議員を辞職した吉川貴盛元農林水産相に現金を提供した事件。15日の在宅起訴を受け、有識者に事件について聞いた。

■「賄賂と献金線引きを」

 元検事の高井康行弁護士の話

 「裁判では現金の趣旨が賄賂だったのか政治献金だったのかが焦点となるだろう。一般論でいえば、自社だけではなく業界にとって有利な取り計らいを依頼して金品を渡した場合も、贈収賄罪は成立する。ただ、本件の場合、アニマルウェルフェアについても日本政策金融公庫の融資についても、既に業界に有利な方向性が決まっていたということであれば、あえて有利な取り計らいを求めて現金を渡す必要性はあまりないともいえる。賄賂と政治献金の境界は必ずしも明確ではないので、この裁判で、その線引きが明確になることを期待したい」

■「農水族と癒着常態化」

 日本大の岩井奉信(ともあき)教授(政治学)の話

 「一般的な贈収賄事件と比べ、今回はアニマルウェルフェアに関する政策決定の時期との関係もあり、立件には難しさもあったと思う。『政治家に弱い』という検察批判も起きる中で、政治とカネの問題を見逃すわけにはいかないという特捜部の意欲と危機感を感じる。他人名義で多額の政治資金パーティー券を購入し、収支報告書への記載を避ける手口は、農水族議員との癒着の常態化をうかがわせる。コメや畜産と違い、謎が多かった鶏卵業界の暗部にも切り込んだ」

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