災害の記録、社会の記憶に デジタル保存、防災へ公開

 阪神大震災や東日本大震災など大規模災害を中心に、当時の被害状況や行政の対応をデータで蓄積し、次代への教訓として残す「デジタルアーカイブ」の整備が進められている。被災自治体や研究機関によって公開され、減災への活用が期待される。一方、資料の権利関係を十分に確認できず、二次利用が難しいといった課題も浮上している。(中井芳野)

ARも利用

 赤やピンクに色づけされた神戸市内のデジタル地図。色の濃さが阪神大震災当時の建物の被災度を示しており、かつて木造民家が密集し大きな火災に見舞われた同市長田区一帯は、最も濃い赤茶色で覆われている。

 平成7年の震災から四半世紀を経て神戸市が昨年公開した「神戸GIS震災アーカイブ」。地理情報システム(GIS)を活用し、画面上のマップを見れば当時の状況が一目で分かるようになっている。被災者の証言や専門家の解説も集約し、風化が懸念される中、「社会の記憶」として定着させたい考えだ。

 災害のデジタルアーカイブをめぐっては近年、防災学習や減災研究に有用だとして、被災自治体を中心に公開が進む。内容も一次情報を収集・管理するだけでなく、拡張現実(AR)を利用して被災当時と現在の道路状況を比較するなど、単なる「記録」にとどまらない機能性を持つ。

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