吉川元農水相、収賄罪で在宅起訴へ 東京地検特捜部 西川氏の立件見送り方針

 鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの元代表(87)が衆院議員を辞職した吉川貴盛元農林水産相(70)に現金を提供したとされる事件で、吉川氏がアキタ社側に便宜を図る見返りに現金を受け取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部が近く、収賄罪で吉川氏を在宅起訴する方向で検討していることが12日、関係者への取材で分かった。吉川氏の体調面を考慮した上で、証拠隠滅や逃亡の恐れが低いと判断したとみられる。

 関係者によると、吉川氏は元代表側から平成27年以降、総額1800万円を提供された疑いがある。特捜部はこのうち、吉川氏が農水相だった平成30年10月~令和元年9月、3回にわたり大臣室などで受け取った現金計500万円分を賄賂と認定するもようだ。特捜部は元代表についても贈賄罪で在宅起訴することを検討しているとみられる。

 残りの1300万円分については、吉川氏が受領時に政府の役職には就いていなかったことなどから、立件額には含まれない見通し。元農水相で内閣官房参与だった西川公也氏(78)も、元代表から1千万円以上の現金を提供された疑いのあることが判明、特捜部が任意聴取したが、現金の対価性などを考慮し収賄罪での立件はしない方針。

 元代表は家畜にとってストレスの少ない飼育環境を目指す「アニマルウェルフェア」(AW)などに関して吉川氏らに陳情を重ねていた。現金提供について、元代表は特捜部の調べに対し「業界のためだった」、吉川氏は「預かったお金だ」などとそれぞれ説明しているという。

 吉川氏は昨年11月に不整脈を理由に入院し、翌12月22日には「国会議員としての職責を果たすのが難しい」などとして議員辞職。その後、心臓の手術を受けていた。同25日には特捜部などが吉川氏の衆院議員会館事務所(東京都千代田区)など関係先を家宅捜索した。

 アキタ社と吉川氏をめぐっては、吉川氏のパーティー券約300万円分を購入しながら、名義を複数の個人と偽り収支報告書への記載を避けた疑いも判明している。

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