「飛び降りて巻き添え、責任重い」重過失致死容疑を適用へ

 大阪・梅田の商業施設「HEP FIVE(ヘップファイブ)」から大阪府立高の男子生徒(17)が飛び降り、兵庫県加古川市の女子大学生(19)が巻き添えになって死亡した事故で、13日にも重過失致死容疑で男子生徒を容疑者死亡のまま書類送検する方針を固めた大阪府警。男子生徒は死亡しており不起訴となるが、高層ビルから飛び降りる行為は危険で、他人を巻き添えにすれば刑事責任を問われることを示す形だ。

 重過失致死傷罪は、行為による結果の予測が極めて容易な場合などに適用される。5年以下の懲役や100万円以下の罰金が科され、法定刑が50万円以下の罰金である単純な過失致死罪より重い。

 府警は、年齢の若い高校生でも、多くの人が行き交う繁華街のビルから飛び降りる行為が他人を巻き添えにする危険を、容易に予想できると判断した。ある捜査関係者は「亡くなったとはいえ、男子生徒の責任は重い。過去の事例をみても重過失が妥当だ」と話す。

 事件では、施設側の課題も浮き彫りとなった。

 実は男子生徒は飛び降りる直前にも屋上に立ち入っていた。屋上に通じるドアの開錠を知らせるブザーが鳴ったため、警備員が駆け付け、屋上から出るよう注意すると素直に応じたという。だが、約2時間後に再びブザーが鳴り、警備員が屋上へ向かったが、すでに男子生徒は飛び降りた後だった。

 屋上に通じるドアの内鍵はプラスチックカバーで覆われていたが、簡単に壊せる構造だった。屋上の一部では、法令の基準を満たす高さの柵がなかったことも明らかになった。施設側は、屋上への鍵を災害時などにしか開かない電子錠に交換。2月からは、屋上全体に高さ2メートル以上の柵を設置する作業を始める方針だ。

 施設警備に詳しい仙台大の田中智仁准教授は「こういった事故が起きている以上、ビルの管理者らは自主的に、できる限りの対策を講じていくべきだ」と話している。

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