指紋にとらわれた初動、絞れぬ犯人像 世田谷一家殺害

 東京都世田谷区で宮沢みきおさん=当時(44)=一家4人が殺害された事件は30日で、未解決のまま発生から20年。犯人につながる多くの証拠が得られながら捜査は難航している。指紋にとらわれた初動、絞りきれない動機、拡大する犯人像…。捜査は一体どこで滑ったのか。捜査員は風化とも闘いながら今も捜査を続けている。

 「ホシ(犯人)の指紋と血がある。それが一致すれば、必ず挙がる(解決する)」。ある捜査員は、こんな会話が脳裏に刻まれている。事件直後、捜査幹部は遠からず犯人を検挙できると確信していた。指紋に加えDNA型が検出できる血液。現場からは直接犯人につながる決定的証拠が採取されていた。

 だが事件は未解決のまま時間だけが過ぎた。「指紋にとらわれすぎて、初動で重要な基礎捜査がおろそかになった」。当時の捜査幹部は振り返る。現場周辺の聞き込みを行う「地取り」、被害者の顔見知りを調べる「鑑取り」。物証の多さが油断を招き、基本的な捜査が不十分だった可能性があるという。

 犯人が現場に残した足跡から靴は韓国製ブランド「スラセンジャー」で、サイズは日本で販売していないものと判明。遺留品からは外国製洗剤とみられる成分や、外国の砂と酷似した砂も検出された。

 捜査本部は昨年、凶器の包丁の柄を包んだとみられるハンカチをめぐり、フィリピン北部で同様の包み方をするとの情報を得たと発表。国内のフィリピン人に聞き込みを続け、フィリピン警察にも協力要請した。

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