「なぜ事件を起こしたか」石田奈央美さん両親「娘は誇り」

 「なぜ事件を起こしたのか知りたい」。京都アニメーション放火殺人事件で16日、殺人罪などで青葉真司被告(42)が起訴されたことを受け、事件で犠牲になった石田奈央美さん=当時(49)=の両親が胸の内を語った。仏前に起訴を報告した両親。京アニ作品に欠かせない存在だった娘のことについて「誇りに思う」と話した。

 両親は京都市内の自宅で報道各社の代表取材に応じた。両親によると、この日午前10時ごろ、京都地検から青葉被告が起訴されたとの連絡を受けた。石田さんの仏壇にお茶とごはんを供えて「起訴されたよ」と報告したという。

 青葉被告が起訴されたことについては「よかった」という両親。今後、裁判の中で青葉被告から事件の動機が明かされる可能性もあるが、母親(79)は「今、知っている以上の真実が明らかになるとは思えない」とし、父親(84)も「恨みつらみがあったと言っているが、本音は聞けないだろう」と感じている。

 ただ父親は、遺族が公判で被告に質問できる「被害者参加制度」を利用し「なぜ(建物内に)問題なく侵入でき、事件を起こしたのかが知りたい」と話した。

 石田さんは京アニで、アニメ作品の色使いを決める「色彩設計」などを担当。「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」や「氷菓(ひょうか)」といった人気作品の制作に携わってきた。父親は「一周忌のときにいろんな人から花が届き、慕われていたことを実感した。誇りに思っている」し、母親は「涙が出てくるから思い出したくない」と声を詰まらせた。

 京アニは残された社員でアニメ制作を続けている。父親は「普通ではできないこと。アニメは社会を動かす力を持っていて、残された人の中に奈央美の魂が生きている」と語った。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ