被告の体調考慮、コロナも影響…京アニ事件、1年5カ月で起訴

 京都アニメーション放火殺人事件は発生から約1年5カ月で青葉真司被告(42)の起訴に至った。重大なやけどを負った被告は命の危険もあり、新型コロナウイルス感染への警戒をしながら、捜査当局は体調面を考慮した慎重な調べを実施。被告には精神疾患での通院歴があり、一方的な恨みを募らせたとされる動機に不可解な点もあることから、鑑定留置期間も約半年間を確保した。ある捜査関係者は「最大限の捜査や取り調べを尽くしてきた」と自信を示す。

 「発生から起訴までかなりの月日がかかったが、最大の要因は本人の回復を待ったことにある。新型コロナの感染拡大も少なからず影響した」。ある捜査関係者はこう話す。

 京都府警は5月、やけどの影響で寝たきり状態となっている青葉被告を逮捕。刑事訴訟法では証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合に容疑者を逮捕できると定めており、逮捕を疑問視する声もあったが、「第三者と連絡を取って供述が汚染される可能性もある」(捜査幹部)と逮捕を決断した。

 青葉被告は「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」とする一方、「(犠牲者は)2人ぐらいだと思っていた」とも供述しているといい、ちぐはぐな面もうかがえる。京都地検は慎重を期すため鑑定留置期間を延長して事件当時の精神状態を調べた結果、刑事責任能力が問えると判断したようだ。

 今後は裁判員裁判に向け、裁判官と検察側、弁護側が立証内容を確認し争点を絞る公判前整理手続きが始まるが、犠牲者らの人数は多く、責任能力の有無や程度も争点になるとみられ、長期化が予想される。

 刑事事件に詳しい宮崎純一弁護士(京都弁護士会)は「一般的に証拠の量が多く、責任能力の有無が争われる事件は手続きが長期化する傾向にある。前例のない事件でどれほどの期間になるか読めないが、長期化するのは間違いない」と指摘する。

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