案里議員初の被告人質問(2)「票を金で買う発想ない」「選挙と政治活動は不可分」
《昨年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、公選法違反の罪に問われた参院議員、河井案里被告(47)に対する初の被告人質問。弁護側は参院選での活動について質問を続けた》
弁護人「(参院選の)選挙運動の状況は」
案里被告「街頭を充実させていくスタンスでした。(自民党広島)県連の指示がないのは、有利に働いた部分がありました」
「(一般的に県連の支援があると)議長、議長経験者などキャリアに準じて、その先生の都合でスケジュールが決まっていきます。(遊説日程などに)候補者の考えがすべて通るとは限りません」
《案里被告は県連の支援を受けないことで、むしろ自由な選挙運動が展開できたと強調した》
弁護人「党本部からの支援は」
案里被告「ありました。主に人的支援です」
「団体の推薦が出ていないのも体裁が悪いと、党本部から推薦を出していただいた。(党本部への依頼は)私からではない。主人かもしれません」
《参院選広島選挙区には自民から2人が出馬したが現職候補が落選。案里被告は選挙戦を制したが、万歳をしなかった》
弁護人「あえて万歳しなかったのはなぜか」
案里被告「(党本部に)公認をもらうに当たっては、2人とも通してもらわないといけません。満額回答ではありませんでした」
《選挙運動の状況を確認した後、事件の核となる現金供与についての質問に移る。起訴状によると、案里被告は昨年3~6月、夫で元法相の衆院議員、克行被告(57)=同法違反罪で公判中=と共謀し、地元議員5人に現金計170万円を供与したとされる》