元特捜部長に禁錮3年求刑 遺族「二度と傷つけないで」

 乗用車で歩道に突っ込み男性をはねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(過失建造物損壊)の罪に問われた元東京地検特捜部長の弁護士、石川達紘(たつひろ)被告(81)の論告求刑公判が2日、東京地裁(三上潤裁判長)で開かれた。検察側は「車を暴走させた過失は極めて大きい」として禁錮3年を求刑した。

 弁護側は車の不具合が原因と訴え、石川被告は初公判で「天地神明に誓ってアクセルぺダルは踏んでいない」と無罪を主張していた。

 検察側は論告で、車の故障は一切見つからなかったと指摘。エンジンを止めずパーキングブレーキをかけただけで降車しようとした際、誤って左足でアクセルを踏み込んだと主張した。

 法廷では、死亡した男性の妻が意見陳述し、被告について「裁判で『私も被害者だ』などと話しており、胸をえぐられるようだった。せめて今後、二度と人を傷つけ悲しませないでほしい」と声を震わせた。車が突っ込んだ店舗兼住宅の男性は「生活と思い出を一瞬で奪われた。心からの謝罪が一度もなく許せない」と悔しさをにじませた。

 起訴状によると、石川被告は平成30年2月18日、乗用車を急発進させ、約320メートルにわたり時速100キロを上回る速度で暴走し、東京都港区の歩道上にいた男性=当時(37)=をはねて死亡させ、店舗兼住宅に突っ込んだとしている。

 石川被告は元年に東京地検特捜部長に就任。福岡、名古屋の両高検検事長を経て13年に退官した。

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