ジャパンライフ元会長、「有力政治家と親密」アピール

 「ジャパンライフ」の巨額詐欺事件は強制捜査から1週間が経過した。警視庁などの合同捜査本部は、実体のないオーナー商法で巧みな勧誘を行い、顧客の支払いを別の顧客の配当に充てる自転車操業を続けていたとみている。勧誘の際には有力政治家らとの密接な関係をアピールし、信用させていた実態が浮かぶ。

 「政治家のパーティーに招待された。ジャパンライフの仕事は良い活動といわれた」。約2200万円を同社に支払った福島県の女性(57)は、元会長の山口隆祥容疑者(78)=詐欺容疑で逮捕=が同県内で開いた講演会で、政治家とのコネクションを強調したことが印象に残っている。

 被害拡大の背景には、同社が前面に押し出した「社会的評価」への安心感もあったとされる。山口容疑者は勧誘の際、有力政治家と撮影した写真や「お墨付き」の文言をたびたび披露。大臣と面会し、事業を《非常に高く評価して頂きました》などとするチラシも作成していた。全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会によると、同社顧問には元官僚らが名を連ねた。代表の石戸谷豊弁護士は「詐欺商法の信用性を高める役割を果たした」と語る。

 国会資料や関係者によると、山口容疑者は昭和46年に健康商品販売会社「ジェッカーチェーン」を創業すると、58年には政治団体「健康産業政治連盟」を設立。少なくとも5つの政治団体に200万円ずつ計1千万円を献金していた。

 ジェッカーチェーンは悪質マルチ商法として社会問題化。50年に国会の特別委員会に参考人招致された山口容疑者は「マルチと思っていない。徹底的にやる」と答えた。51年には通商産業省(現・経済産業省)幹部が国会で「典型的な苦情頻発の悪いマルチ」と答弁。この年、同社は事実上倒産した。これに前後して50年に設立されたジャパンライフも、60年に「マルチまがい」として国会で取り上げられている。

 同社は平成23年の東日本大震災後、東京電力福島第1原発事故があった福島県内の拠点を全国最多の6店舗に拡大。22年に債務超過に陥る中、原発事故による被災者への賠償金を狙った可能性もある。同県の被害者は200人超とされ、集金額も全国2番目に多い計約190億円に上る。

 消費者庁の調査では、27年9月末時点で同社が預託された商品は2万2441個だったが、実際にレンタルされたのは2749個。確認できた在庫は95個だけだった。捜査本部は、事業そのものが架空だった疑いがあるとみている。

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