児童虐待~連鎖の軛 「宅食」支援の新形態 LINE活用し異変を察知

 厳しい暑さが続いていた8月下旬。京都市伏見区の住宅街では、運送業者の配達員が米やレトルト食品を詰めた袋を手に、子供のいる家を訪ねて回っていた。「やったー。お菓子も入ってるやん」。玄関先ではしゃぐ子供たち、そして一緒に出てきた親に配達員が優しく声をかける。「何か困ったことがあれば、いつでも言ってください」。

 社会福祉法人「あだち福祉会」(同市)が運送業者や市などと展開する「こども宅食」。2カ月に1度、市の就学援助や生活保護を受給する家庭に、企業などからの寄付で用意した食品を届ける取り組みだ。

 市が把握する公的扶助の情報を活用し、小学校で教員から対象家庭の児童にこっそりと案内を渡す。希望者は市を介さず、無料通信アプリ「LINE」で法人に申し込む。

 どの家庭が扶助を受けているかは周囲に知られず、希望した家庭についても、どんな扶助を受けているかなどは法人側には開示されない。家庭事情という繊細な情報を守りつつ、必要とする家庭に支援が届くようにする方法で、京都市では8月から伏見区の135世帯を対象に本格的に開始。今後ほかの区にも広げていく。

 貧困家庭に対する物的支援という形だが「それはあくまで入り口」と同法人の畑山博理事長(60)。経済的な困窮は虐待につながりやすいと指摘される。厚生労働省の社会保障審議会の報告によると、虐待で子供が死亡したケースのうち、生活保護世帯など低所得世帯が占める割合が平成17年で6割、18年では8割をそれぞれ超えた。

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