児童虐待~連鎖の軛 子供食堂で見守り 問われる自治体の覚悟    

 「おいしそう。いただきます」。8月末、兵庫県明石市の魚住市民センターには小学生から中学生の子供約15人と親たちが集まり、夕食のカツカレーを食べたり、折り紙やおしゃべりをしたりして楽しんでいた。子供であれば無料で参加できる子供食堂「レストラン『つながり』」だ。

 2つの小学校区を対象にそれぞれ月1回、地元の民生児童委員の協議会が開催。案内チラシは学校で全ての子供に配っている。

 協議会会長の松原由美子さん(76)は「食堂をきっかけに子供やお母さんと顔の見える間柄になれた。まちで子供に呼びかけられるのはうれしいし、食堂にも来られない心配な子供の情報も集まりやすい。子供を見守っていくのは地域の責任だと思う」と話す。

 悲惨な虐待から子供を守るには、児童相談所や警察が介入する前の未然防止が重要となる。それには日ごろから子供の様子を見守ることが大切だが、明石の子供食堂は子供の変化を察知する「気づきの拠点」となっている。

 ■ぎりぎりの生活

 「家庭の状況がしんどくなっているのかもしれない」。市内の子供食堂から1年前、明石市の児童相談所「明石こどもセンター」に、ある母子家庭についての連絡があった。

 精神疾患のある母親と小学生の直樹くん=仮名=の2人暮らし。市は数年前から、1週間を目安に子供を預かって母親の負担を軽減するショートステイのサービスなどを使って支援し、子供食堂には見守りを依頼していた。

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