都民の警察官に5氏 長年の献身に光

 東京都民の安全を守るため職務に励む警察官を表彰する第90回「都民の警察官」の受章者が決定した。今年の受章者には、蒲田署生活安全課の佐藤博警部補(58)▽中央署地域課の●(=さんずいにウかんむりに眉の目が貝)田修警部補(55)▽警護課の谷中透警部補(51)▽西新井署刑事組織犯罪対策課の菅原初美警部補(51)▽玉川署尾山台駐在の永江正明警部補(56)-の5人が選ばれた。

 選考では、警視庁が受章候補者8人を推薦。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、選考委員会を開かず、委員らがこれまでの優れた実績や人柄などの推薦理由を基に、書類選考で最終的に5人を選出した。委員らは生活安全部門での経験が豊富な佐藤警部補について、「都民の安全に密着し、功績を残した」などと高く評価した。

 女性で唯一の受章となった菅原警部補については「女性の社会進出に寄与した」とした。ほかの3人についても「都民の心情を察した活動を心がけており、他の警察官の範となるものだ」などと賛辞を贈った。

 表彰式は、10月14日午後1時から千代田区大手町の大手町サンケイプラザで行われる。

■蒲田署生活安全課・佐藤博警部補(58)

 警察官人生の大半を生活安全部門で過ごし、12年間をささげた少年事件捜査では、警視総監賞を複数回受賞してきた。

 高島平署勤務だった平成13年、交際トラブルから少年が別の少年をナイフで刺す殺人未遂事件が発生した。調べに正直に答えない少年だったが、証拠品の収集に奔走し、地道な捜査で自供を引き出した。

 事件で触れ合う少年らには長い人生が待ち受けている。「これからは健全に育ち、正しい大人になってほしい」。そう願いながら捜査に正面から向き合ってきた。現在は、ストーカーといった人身安全事案を担当するが、判断を誤れば、重大事案に発展する恐れもあり、少しの不安でも芽を摘み取ることに神経をとがらせている。

 受章の報に、家族は驚きを隠せないが「父の背中を追おう」と警察官になる勉強を続ける長男の励みになったのではないかとも思う。定年までは、あと1年。「(長男の)見本にならなきゃなぁ」と、まだまだ意欲を燃やしている。

■中央署地域課・●(=さんずいにウかんむりに眉の目が貝)田修警部補(55)

 勤続32年のうち26年を交通部門で勤め上げてきた。白バイなどに乗り、都民の交通安全を守り続け、数多くの警視総監賞を受賞してきた。

 繁華街などで「合法」であると称して販売されていた危険ドラッグが深刻な社会問題となっていた平成26年。池袋では危険ドラッグを吸引した男が運転する車が暴走し、7人が死傷した事故も起きていた。「薬物事案は今まで経験がなかった。危険ドラッグに当たるのか、成分はどうとか、一から勉強をした」という。

 そして、同年5月と6月に首都高などで相次いで発生した交通事故において、危険ドラッグを吸引後に運転した容疑者らを摘発した。こうした取り締まりの強化で、吸引による事故は大幅に減った。

 今回の受章に、「警察官として大変名誉ある賞。自分一人で頂いたわけではなく、交通部を代表しての受章だと考えている」と語り、「今後も自己研鑽をして後輩たちに継承していきたい」と気を引き締めた。

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