復権した特捜部、課題は是正されたのか 押収資料改竄事件10年

 法務検察史上最悪の不祥事とされる大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件が発覚してから、21日で10年。政官財に巣くう巨悪を摘発してきた「最強の捜査機関」の威信は地に落ち、東京、大阪、名古屋の3つの特捜部は独自捜査体制の縮小を余儀なくされた。「もうロッキードやリクルートのような事件はできない」。そんな悲観論もあった特捜部が今、再び存在感を放ち始めた。背景に何があるのか。改竄事件で露呈した特捜部の体質や捜査手法に潜む課題は是正されたのか。

■「冬の時代」経てエース就任、次々と大型事件

 「議員会館で現金300万円を先生に渡した」

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐる汚職事件で、贈賄側の供述を得た東京地検特捜部は昨年12月、収賄容疑で秋元司衆院議員(48)の逮捕に踏み切った。現職国会議員の逮捕は約10年ぶり。長らく司直の手が伸びていなかった永田町に緊張が走った。

 平成22年9月に発覚した大阪地検特捜部の押収資料改竄事件。衝撃は大きく、検事総長が辞任するに至った。検察当局は組織的な問題があったとして改革に着手し、東京、名古屋を含む特捜部の独自捜査体制を縮小。供述依存の捜査への反省から、取り調べの録音・録画(可視化)の義務付けも拡大した。特捜部は捜査に及び腰になり、「冬の時代」とささやかれた。

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