メガ台風時代の防災“新”常識! 専門家に聞いた命を守る「5箇条」 災害危機管理アドバイザー・和田隆昌氏が解説

 台風10号は九州地方を中心に大きな爪跡を残した。ここ数年、日本列島で記録的な豪雨や勢力の大きい台風が、河川の氾濫や土砂崩れ、大規模な停電などを引き起こす事態が相次いでおり、災害対策もアップデートする必要がある。メガ台風から命を守る「防災の新常識」を専門家に聞いた。

 台風10号により佐賀県と鹿児島県で計2人が死亡。宮崎県椎葉村の土砂崩れ現場では4人が安否不明となった。九州を中心に15県で100人以上が重軽傷を負った。

 太平洋の海水温が高い状態は当面続き、勢力の強い台風はこれからいくつも日本に接近する可能性がある。

 災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は基本的な対策として「ハザードマップで自宅が浸水想定区域なら浸水、マンションや高台なら強風対策などリスクを認識する」ことから始める。

 家屋の浸水防止策は、「段ボール箱を90リットル程度のポリ袋またはブルーシートで補強し、土嚢(どのう)の代わりに45リットル程度のポリ袋に水を入れた水嚢(すいのう)を詰める『段ボール水嚢』も有効だ」と和田氏。

 ただ、「特別警報級のメガ台風では、家屋被害を防ぐ対策中に身の危険にさらされる。避難が最優先になるのが従来との大きな違いだ」と和田氏は強調する。

 メガ台風では大規模な停電を引き起こすのが特徴だ。九州の停電は一時、計約47万5000戸に達した。昨年9月の台風15号でも、千葉県も広範囲で長期間にわたり停電や断水が続いた。

 停電対策として和田氏は、「電灯を用意すべきだが、夏場は熱中症の危険もあるうえ、エレベーターの停止や断水など全てのインフラに影響するため、個人でできる対策は限られる」と指摘する。

 鹿児島県南種子町では、台風10号に備え避難していた94歳の女性が室内で死亡。発電機が止まった状態で見つかり、一酸化炭素(CO)中毒の可能性もある。九州電力によると、6~7日にかけて同町内は広範囲で停電していた。

 台風10号ではコロナ禍によって定員を減らした避難所が満員で、ホテルに泊まる人も多かった。

 和田氏は「ホテルのほか、高台やマンションに住む知人と『一時に避難させてもらえる』関係を作っておくなど複数の避難場所を個人で確保しておく。車中泊も選択肢の一つだが、トイレを使えたり、配給を受けられるように避難所近くの滞在を考えるべきだ」と提言する。

 避難時の所持品にもこだわる必要はないという。「都市部では一時的な風雨で済むことが多い。避難時は最低限、感染対策を考え、マスクや手洗い用品などの衛生グッズと現金を持っておけばいい。水や食料は避難先で多少、お世話になるのはやむをえない」と和田氏はアドバイスした。

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