「生きていいと言い合える社会に」4千字のメールで明かしたALS協会近畿ブロック会長の思い

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者から依頼を受けて薬物を投与し殺害したとして、医師2人が嘱託殺人罪で起訴された事件で、「日本ALS協会」近畿ブロック会長の増田英明さん(76)が産経新聞の取材にメールで応じた。増田さんは定年退職後の平成16年にALSを発症し、18年から人工呼吸器を装着。妻と2人で暮らす京都市内の自宅で24時間体制の介護を受けながら、難病患者の現状や支援を訴える活動に取り組む。4千字近い長文のメールは熟考した上で3日間かけて書き上げたといい、事件への思いや安楽死議論に対する考えなどが率直につづられている。(増田さんの回答は原文ママ)

 --今回の嘱託殺人事件を受け、改めてどのようにお感じになられました。被害女性が「安楽死を望んだ」といわれていますが、女性の真意はどこにあったと思われますか。

 「日に日に、怒りと不安、悔しさ、悲しさが募っていく一方です。ALSという病気は治療法も確立されていなくて、あらゆる自由を奪っていきます。取材を受けている仲間みんなが言っているように『人工呼吸器をつけてまで生きたくないと思った』『死にたいと何度も思った』、それがALSの現実です。私も人工呼吸器をつけないといいました。生きたいと生きたくない、の間に立たされ、生死の選択を迫られる。これは共感とは違う、言葉では言い尽くせない経験そのものです」

 「だけどALSという病だけが生きる気力や希望を奪っているのではありません。私たちがこうして生きることに迷うのは、生きるのが当たり前の社会で、生死の選択を迫られるからでもあります。私たちが生きるためにはいろんな条件が並べられます。ALSになったとたんに、当たり前には生きられない存在にされてしまい、社会からはじかれてしまう」

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