ALS嘱託殺人 容疑者は「安楽死教」教祖名乗ることも

 京都の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の女性に対する嘱託殺人容疑で、医師2人が逮捕されてから1週間。医師らはかねてSNSで“安楽死”について言及していたが、事件では医師側に女性から計130万円もの現金が渡っていた。彼らは果たして医師としての信念を遂行したのか。

 逮捕された医師、大久保愉一容疑者(42)は事件の約1カ月前の昨年10月下旬、ツイッターでやりとりしていた知人女性に「とにかく(患者の)魂だけでも救ってきますわ」とのメッセージを送っていたという。

 大久保容疑者は昨年11月30日、京都市中京区のALS患者である女性=当時(51)=の自宅マンションで、医師の山本直樹容疑者(43)とともに嘱託を受けて薬物を投与し、急性薬物中毒で女性を死亡させた疑いがある。

 その犯行時間はわずか15分足らずだったとみられる。女性の体内からは鎮静作用がある「バルビツール酸系」の薬物が検出された。

 大久保容疑者はツイッターで安楽死にたびたび言及し、今年に入っても「医者ってなんなんだろね。素直に死なせてやっちゃいかんのかね」と持論を展開。昨年2月には「宗教法人つくりたいなあ。安楽死教(仮)」と投稿、“教祖”を名乗ることも。「安楽死にいくらまで払いますか」などとも書き込んでいた。

 さらに昨年5月には「安楽死研究会」とする掲示板も開設。「静かに逝かせてあげるちょっとしたコツをシェアできたら。バレない知恵も必要」と趣旨を説明。介護関係者らとされる人々とやりとりしていた。

 一方で女性から130万円が山本容疑者の口座に振り込まれていた。報酬とみられるが、大久保容疑者の口座に移された形跡はなかった。京都府警は2人が金銭目的で請け負った可能性もあるとみて調べている。

 さらに、山本容疑者は海外の大学を卒業したと申告して医師免許を不正に取得した疑いが浮上。大久保容疑者は厚生労働省の医系技官として国家試験に関わる「試験専門官」を務めていた時期もあったが、関与の有無は不明。しかし2人は学生時代からの知人だったという。

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