嘱託殺人容疑の2医師、安易に犯行「女性に寄り添ったか」専門家ら非難

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っていた京都市の女性をめぐる嘱託殺人事件で、逮捕された医師2人は女性の主治医でなく、犯行当日に初めて女性宅を訪れていたとみられている。法整備の議論以前に、医師として女性にどれだけ寄り添ってきたか疑問があり、専門家や難病の支援団体の関係者らからは「あまりに安易だ」などと厳しい批判が寄せられている。

 ■女性に寄り添ったか

 「そもそも日本では医師が致死薬を投与するなどの『安楽死』は認められていないが、法的に認められている海外のケースと比較してもあまりに安易で危険」

 今回の事件で逮捕された大久保愉(よし)一(かず)容疑者(42)と山本直樹容疑者(43)を指弾するのは、「死ぬ権利はあるか」の著書がある横浜市立大の有馬斉(ひとし)准教授(倫理学)だ。

 有馬氏によると、たとえば安楽死が合法化されているオランダでは、患者やその家族と長年つながりがある「かかりつけ医」が患者本人の心の揺れ動きや病状などを総合的にみて、慎重に判断することになっているという。

 逮捕された2人は女性の主治医でなく、やり取りもSNSで行われていたとみられることから、有馬氏は「今回の医師らは、患者の精神状況や医学的状況をよく知りもせずに薬物を投与したと思われる。熟慮を重ねた行為ではない」と非難する。

 その上で、厳しい病状で闘病生活を送る難病患者らについて「『死にたい』と思い、落ち込みが激しい患者も、周囲や担当医師らの寄り添いにより前向きな気持ちになっていく場合もある」と指摘。「今回の医師らが女性に寄り添い、ほかに選択肢が本当にないのかなどについて丁寧に話し合いを重ねていたとは思えず、非常に問題だ」と話した。

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