九州豪雨 柴犬のユキちゃん、被災者の心癒やす

 手触りのいい白い頭をなでると、気持ちよさそうに目をつぶる。その姿が被災した苦労を一瞬だけ忘れさせてくれる-。豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市で、避難所となった同市立第一中学では、柴犬「ユキちゃん」が慣れない避難生活を送る被災者らの癒しとなっている。

 ユキちゃんは6歳のメス犬。同県球(く)磨(ま)村の自宅が浸水し、飼い主の山口道治さん(46)とともに避難所に身を寄せる。人懐っこく穏やかな性格で、ほえることはほとんどない。避難所でごろんと寝て過ごす姿が愛らしく、被災者や自衛隊員までも目を細める。

 豪雨が襲った4日、山口さんは入院中で、自宅にはユキちゃんだけ。心配した近隣住民がユキちゃんを連れ出し、山口さんが退院した8日に避難所で再会した。山口さんは「当時は不安で震えていたが、今ではすっかり元気」と笑顔をみせる。

 14日の昼さがり、小学6年の男子児童がユキちゃんを訪ねてきた。自宅は濁流に飲まれ家族と避難している。ユキちゃんの頭から首をゆっくりと触りながら、「安心する」と話した。(中井芳野)

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