水没した「人吉のシンボル」 神社の手助けに若者ら SNSで支援の輪広がる

 熊本県南部の豪雨では同県人吉市の国宝「青井阿蘇神社」も被災した。市のシンボルとして地元住民らに親しまれていたが、境内に大量の土砂が流れ込むなど甚大な被害を受けた。被災地に雨が降り続く中、懸命の復旧作業が続けられている。

 宮司の福川義文さん(56)が神社でいつものようにお勤めを終えた4日早朝。やや離れた自宅で朝食を取っていると、午前7時ごろ自宅に濁流が流れ込んだ。すぐに自宅2階に「垂直避難」したが、水は2階にいた福川さんの膝のあたりまで押し寄せてきた。「ただ事ではない。神社は大丈夫か」。神社にいる職員に電話すると、「一面、湖のようだ」といわれた。

 水が引き、神社に駆けつけた。境内には車が流れ込み、こま犬や灯籠は完全に水没した。国宝に指定されている幣殿や拝殿、本殿は浸水し、神事で使う道具や装束など失った。

 福川さんや県によると、神社は大同元(806)年創建とされ、平成20年に神社の社殿群5棟が国宝に指定された。毎年11月ごろには祭りがあり、初詣にも多くの人が訪れる。そんな地元に愛される神社の被害に、さっそくボランティアらが立ち上がった。

 新型コロナウイルスの影響で人吉市に隣接する同県錦町に帰省していた関西学院大1年の高沢憲吾さん(19)が被害を知り、同市に住む友人の福田悠太さん(18)に相談。ツイッターなどで神社でのボランティアを呼びかけた。

 するとメッセージが拡散し、地元の高校生ら約100人が参加を表明。5日から泥かきやがれきの撤去を始めた。高沢さんは「まさかこんなに集まるとは思わなかった。できる限りの手伝いをしていけたら」と話す。

 断続的に続く雨で作業は思うようには進まないが、福川さんは「豪雨直後から多くの若者が支援に来てくれて感無量。大変なのはうちだけじゃない。一歩ずつ進んでいくしかない」と話している。

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