泉佐野市逆転勝訴 地方分権はどう変わるか

 最高裁が30日、判決を言い渡したふるさと納税をめぐる訴訟は、自治体と国が法廷で争う異例のケースで、分権改革が進められてきた地方自治のあり方も問われた。判決は大阪府泉佐野市の主張を認めたが、国と地方の関係を「上下・主従」から「対等・協力」に転換する地方分権の理想をどう実現するか。模索は始まったばかりだ。(牛島要平)

 平成20年に創設されたふるさと納税は、納税者が故郷や地方を応援することを目的に作られた。それは、働く世代が都市に流れる中、財政が行き詰まる地方に税収を再配分する取り組みでもあった。

 地場産品以外の返礼品に加えアマゾンのギフト券を贈る手法で寄付を募った泉佐野市の千代松大耕(ひろやす)市長はもともと制度が地方分権を進めるために「自治体間競争を促すという意味合いを持っていた」と指摘。多様な返礼品をそろえたことは努力の成果と強調してきた。

 当時、寄付金を求めて魅力的な返礼品をそろえたのは同市だけではない。多くの自治体にとって、制度は苦しい財政から脱却するための手段となり、返礼品競争は過熱し、全国的に寄付額は急増した。

 一方で、総務省には、税収を地方に奪われた都市部の自治体から「返礼品を規制してほしい」との声が相次ぐようになる。そこで、こうした競争を想定していなかった同省が取った措置が「返礼品は寄付額の3割以下にする」「返礼品は地場産品に限定」といった法的強制力のない通知だった。千代松氏は「紙切れ1枚で言うこと聞けというのが、腹立たしくて仕方がなかった」と振り返る。

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