ふるさと納税 泉佐野市長「地方自治体にとって新しい一歩」

 ふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外した総務省の決定は違法だとして、市が取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、市の逆転勝訴が確定した。同市の千代松大耕(ひろやす)市長は30日、市役所で記者会見し、「主張が全面的に認められ、うれしい。地方自治の新しい一歩」と喜びを語った。除外取り消しを受け、早期の制度復帰を目指す考えを示した。

 この日、公務のため上京できなかった千代松市長は市長室で勝訴の一報を聞き、予定を変更して急遽(きゅうきょ)、記者会見を開いた。「地方の時代と叫ばれながら多くの自治体は、国の一方的な通知で悔しい思いをしてきた。地方自治には新しい一歩と考えている」。昨年5月の除外決定から総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会」の審査、大阪高裁への提訴、最高裁への上告と約1年に及ぶ国との異例の争いに勝利を収めたこの日、判決の意義をかみしめるように話した。

 ふるさと納税の新制度に参加するための要件として総務省が設けたルールを「違法で無効だ」と判断した最高裁の判決で、同市が制度に復帰する道が開けた。「ほっとしている。一日も早く、ふるさと納税制度に復帰できるよう、がんばって進めていきたい」としながらも、「あくまで令和元年度の不指定取り消しを認められたもので、今後の制度参加が保証されたものではない」と国への警戒心ものぞかせた。

 除外が取り消された元年度分(昨年6月~今年9月)で、残りの3カ月分だけでも指定されるよう国に求めるため、7月1日に早速、府庁を訪れ、国への働きかけを要請する予定。また2年度分(10月~来年9月)の指定を目指し、受け付けが始まる8月11日にも申請を行う。

 千代松氏はこれまでの産経新聞の取材に「市内の犬鳴山温泉などの観光地は新型コロナの中で厳しい状況。今回の問題をきっかけに泉佐野市を知っていただいた全国の方々に来ていただけるよう、返礼品として地域資源を活用した体験型の『コト消費』を充実させたい」との方針を示している。

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