「体震え泣きたい」 旧優生保護法訴訟で原告が記者会見

 旧優生保護法をめぐる30日の東京地裁判決は、強制不妊手術の違憲性を認める一方、1例目の仙台地裁判決に続き国に賠償を命じなかった。民法の規定を厳格に適用した判断で、被害回復を目指す当事者にとっては、司法による救済の難しさが改めて突き付けられた。

 「体が震えてもう泣きたい」。東京地裁の判決を受け、旧優生保護法下で不妊手術を施された原告男性(77)は30日、東京都内で記者会見し、こう怒りをあらわにした。

 判決や弁護団によると、男性は14歳で手術を受けさせられたが、旧法に基づく手術とは長年気づかなかったという。宮城県の女性2人が平成30年、仙台地裁に提訴した報道を見て初めて知った。

 男性も同年に提訴したが、今回の判決は「どんなに遅くとも(旧法が改正された)8年時点において、提訴が困難であったとは認められない」と指摘した。男性は「なぜこんなことを言われなきゃいけないのか。ただ国が悪かったことを認めて謝ってほしいだけなのに」と訴えた。会見に同席した弁護団の前田哲兵弁護士も「仙台地裁に提訴されるまで誰も訴訟を起こしていないのに、なぜ困難ではなかったといえるのか」と判決を批判した。

 男性は28歳で結婚したが、妻に手術のことを長年言い出すことができなかった。25年、白血病で余命わずかと宣告された妻に病室でようやく打ち明けた。静かにうなずいた妻は「それよりもご飯をちゃんと食べてね」と告げると、間もなく息を引き取ったという。

 男性は「妻や両親の墓前でも何も報告することができない。何が何でも打ち勝ちたい」と控訴への決意を述べ、「大勢いる被害者の人たちは勇気をもって名乗りを上げてほしい」と訴えた。

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