「安全対策」と「開かれた交番」の両立課題 大阪・吹田拳銃強奪から1年

 大阪府吹田市の交番前で昨年6月、警察官が男に刺され、拳銃を奪われた事件は16日で発生から1年。大阪府警は事件後、全ての交番に防犯カメラを設置し、襲撃を想定した訓練を重ねるなど交番の安全対策を強化してきた。ただ、交番勤務の警察官は地域住民に親しみを持ってもらうのも重要な役割。事件の再発防止と開かれた交番との両立が課題となっている。

 ■一般人装いチェックも

 事件後、府警は全647カ所の交番・駐在所に内部を写す防犯カメラを設置。外を写すカメラもすでに372カ所で設置しており、残りは今年度中に整備する。建物の陰に不審者が潜むのを防ぐため、必要な場所には人を感知すると光るセンサーライトも付けた。

 事件では、警察官がバイクに乗って出動しようとしたところを襲われたため、車両の後部を建物側に止め、出動時に路上に背を向けないよう交番勤務員に指示。本部の警察官が一般人を装って交番に入り、対応をチェックする訓練も実施してきた。

 装備面でも対策が進む。事件で襲われた警察官の拳銃入れは、第三者が取り出しにくいように改良される前の旧型だった。事件当時新型の配備は約20%だったが、現在は全ての現場警察官が新型を使用している。

 ■全国で進む対策

 拳銃を奪う目的で、交番勤務の警察官を襲う事件は全国で相次いでいる。

 平成30年6月、男が警察官を刺殺し、奪った拳銃で警備員を射殺する事件が起きた富山県警では、一部の交番で、侵入者を防ぐためにカウンター上を強化ガラスで仕切るなどした。同年9月に交番の警察官が刺殺された宮城県警でも、プロジェクトチームを立ち上げて対策を進めている。

 警察庁は、交番近くの路上をうろついたり、長時間滞在したりする不審者を防犯カメラで検知し、管轄の警察署や警察本部にアラームで警告するシステムの導入も検討している。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ