ゴーン被告逃亡、無責任の連鎖 弁護団の誓約書、地裁「うのみ」

 ■事務所で面会

 ゴーン被告は昨年12月29日、関西空港から不法出国。東京地検特捜部は今年1月30日、入管難民法違反容疑でゴーン被告の逮捕状を取った。逃亡の手助けをしたとして犯人隠避などの容疑で米国籍の男3人の逮捕状も取得した。

 このうちピーター・テイラー容疑者(27)は逃亡前、弘中氏の事務所で計4回、ゴーン被告と面会していた。逃亡の前日などにも別の場所で会っており、特捜部は「逃亡に関する謀議が事務所で行われた疑いが強い」としている。

 弘中氏は翌31日、報道陣に「根拠がない」と反論。テイラー容疑者が保釈条件で接触禁止とされた人物ではないとし「それ以外の人と会うのは自由。何か問題はあるのか」と強調した。

 ■PC提供拒否

 弘中氏の誓約書には、平日午前9時から午後5時まで弘中氏の事務所にゴーン被告を滞在させて指導監督することや、事務所で面会した相手の氏名などを記録すると記していたという。

 実際、テイラー容疑者についても記録していたが、「身分チェックをするわけでもなければ、パスポートを見せるわけでもない。(保釈条件では)パソコンは事務所で使って、というだけで、ゴーンさんが人と会うのをチェックする必要なんてない」と言い切った。

 「保釈条件に違反しないよう監視する義務はないのか」と問われると「パソコンを使用するとき以外は、どこにいようが自由。どうやって監視するのか」と語気を強めた。誓約書については「指導監督している。保釈条件にどんなことが書いてあるか理解できるような説明をしている」とする一方、「私は(誓約書の)作成に関与していない。正確なことは言えない」とも述べ、高野隆弁護士が主導したと示唆した。

 弘中、高野両氏は今年1月16日、弁護人を辞任。弘中氏は、特捜部が逃亡事件捜査のため、再三にわたり求めたゴーン被告使用のパソコン提供を拒み、任意聴取も拒否している。

 ある検察幹部は「誓約書の中身は確かに保釈条件に入っていないが、ゴーン被告を指導監督できなかったことは裁判官に対する誓約違反で、重い」と指摘。別の幹部も「弘中氏らは法曹界で一番大事な信頼を失った」。ある弁護士は「逃亡されたら、さっさと辞任し、捜査にも協力せず、『後は関係ない』というのは弁護士として無責任すぎる」と批判した。

 産経新聞の取材に、弘中氏は「不正確な情報に基づく質問にはお答えできない」と回答した。

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