「周囲の協力得られず孤立」死体遺棄の京都・向日市職員に猶予判決

 京都府向日市のアパート駐車場で女性の遺体が見つかった事件で、死体遺棄罪に問われた同市職員の余根田渉被告(30)の判決公判が26日、京都地裁で開かれ、柴山智裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 事件では、余根田被告がケースワーカーとして担当していたアパート住人の橋本貴彦被告(56)が、同居していた小林美雪さん=当時(43)=を暴行し死なせたとして傷害致死などの罪で起訴されている。被告人質問では、余根田被告が橋本被告から「協力しなかったらお前を殺す」などと脅されていたことが明らかにされた。

 柴山裁判官は判決理由で、「重要で不可欠な役割を果たした」と指摘した一方、橋本被告から理不尽な要求や恫喝(どうかつ)を受けた上、周囲の協力を得られず孤立して疲弊していたなど酌量の余地があるとして執行猶予が相当とした。

 判決によると、余根田被告は橋本被告らと共謀し、昨年6月、橋本被告の自室で小林さんの遺体を大型冷凍庫に入れるなどした後、駐車場に遺体を遺棄した。

 一方、向日市は26日、事件に関する検証委員会の結果を発表。上司らが組織として必要な配慮や指示、指導を行わなかったと指摘した。委員長を務めた関西国際大の道中隆教授(社会保障論)は「生活保護制度の根幹が揺らぎかねず、市の責任は重い」と指摘。安田守市長は「市の対応が不十分で、被告を守りきれなかった」と謝罪した。

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