第三者委報告書 金品受領75人、3億6千万円 工事発注は「金品の見返り」

 関西電力の役員らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から多額の金品を受領した問題で、再調査にあたった第三者委員会(但(ただ)木(き)敬一委員長)は14日、大阪市内で記者会見し、関電に提出した調査報告書を公表した。金品受領の範囲は社内調査の結果に比べ55人増の75人、約4千万円増の総額約3億6千万円に拡大。関電から森山氏の関連会社の工事発注については、金品提供への見返りと判断した。

 調査報告書によると、森山氏から関電の役員や社員らへの金品提供は、森山氏が高浜町の助役を退任した直後の昭和62年6月から始まったと認定。金品は現金や小判、商品券など約3億6千万円相当で、原子力事業本部を中心に75人が受領していたという。

 調査では、森山氏の関連会社が関電からの工事を受注できるよう、両者の間で工事内容や年度ごとの発注予定額を約束するメールのやりとりなどを確認。金品提供は個別の工事発注との関連が明らかではない時期になされているものの、但木委員長は「不正な工事発注で、金品の見返りだった」と判断した。

 また、関電が社内調査で事態を把握し、八木誠元会長や岩根茂樹社長らを減給処分とした後も取締役会に報告せず、公表しなかったことについては「身内に甘い脆(ぜい)弱(じゃく)なガバナンス意識」と批判。再発防止策として空席の会長職は代表権をなくして執行部と独立させ、社外人材を起用する案などを提言した。

 但木委員長は今回の問題について「関電の役員らに電力使用者の目線によるコンプライアンスの意識が欠如していたことと、原発立地の地元対策が透明性のない形で行われていたことが問題の本質」と指摘した。

 関電が平成30年9月にまとめた社内調査では、役員ら20人が総額3億2千万円相当の金品を受け取ったと認定。同社は森山氏側への工事発注については「発注プロセスは社内ルールにのっとっており違法性はない」とし、金品への見返りとしての便宜供与を否定していた。

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