相模原殺傷事件、週明け16日判決へ 責任能力焦点

■検察側「恣意的」

 これに対し、検察側の主張は大きく異なる。

 植松被告と面談するなどした東京都立松沢病院の大沢達哉医師は、大麻について「影響がないか、影響を与えないほどに限定的だった」「大麻によって異常な発想をしたわけではない」と否定的だ。

 また、植松被告の差別的な考えは、パーソナリティー障害を有する人格傾向が根底にあり、そこに障害者施設での勤務経験などが蓄積されたもので、「(論理が)病的に飛躍しているとはいえない」「犯行は、被告個人の強い考えによって行われた」と分析した。

 人格についても、大麻の乱用によって急激に変化したものではないとしている。検察側は、弁護側が植松被告の人格を大学時代までと27年ごろ以降に分けている点について、「大麻使用初期の状態を考慮せずに、『不連続』との評価は恣意(しい)的」などと反論。また、凶器を複数準備するなどの犯行の計画性や、犯行後に警察署に出頭するなど違法性を認識していたことも、責任能力を肯定する根拠としている。

 検察側は論告で「被告の行動は統制されており、犯行の発想から実行までの大麻使用の影響は小さかった」とし、犯行当時は完全責任能力があったと指摘。「(犯行は)卑劣で残忍、冷酷無比と言わざるを得ない」として死刑を求刑している。

■植松被告「控訴しない」

 検察側と弁護側は法廷で激論を戦わせたが、植松被告自身は公判中、どこか上の空といった様子でそのやりとりを眺めていた。そして、悲嘆にくれる重度障害者の家族や遺族をよそに“最後”まで反省の色なく、差別的な持論を展開した。

 植松被告は一貫して「自分には責任能力がある」と述べ、最終意見陳述では「どんな判決でも控訴はしない」と断言した。判決を前に心に去来するものは何なのだろうか。

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