軍事転用可能な装置、中国へ不正輸出疑い 会社幹部ら逮捕 警視庁

 生物兵器などに転用が可能な噴霧乾燥装置「スプレードライヤー」を中国に不正に輸出したとして、警視庁公安部は11日、外為法違反(無許可輸出)容疑で、精密機械製造会社「大川原化工機」(横浜市都筑区)社長、大川原正明(70)、顧問の相嶋静夫(71)、役員の島田順司(66)の3容疑者を逮捕した。公安部は3人の認否を明らかにしていない。

 スプレードライヤーは液体を霧状にして急速に乾燥させ粒子状にする装置で、医薬品や航空機エンジンなどの製造に使われる。外為法は大量破壊兵器などへの転用が可能な製品や技術をリスト化し、輸出の際に経済産業省の許可を得ることを義務付けており、スプレードライヤーは平成25年に規制対象になっていた。

 逮捕容疑は28年6月2日、同省の許可を得ず、自社製スプレードライヤー1台(輸出価格約1800万円)を中国・上海に所在するドイツ企業に輸出したとしている。

 大川原化工機はスプレードライヤーの製造で国内のトップシェアを誇り、東南アジアや欧州、米国などに輸出していたという。

 公安部によると、ドイツ企業は総合化学メーカーで、スプレードライヤーをリチウムイオン電池の製造などに利用していた。同社から第三国への転売などは確認されていない。大川原容疑者らは横浜港から輸出したとみられ、税関に対し、リスト規制に該当しない製品だとする虚偽の書面を提出していたという。

 公安部は30年10月に大川原化工機や関係先を同容疑で家宅捜索。押収した資料の分析などを進めてきた。大川原容疑者らが別時期に同種の製品を韓国にも不正輸出した疑いがあるといい、裏付けを進める。

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