相模原45人殺傷被告人質問詳報(6)日本が滅ぶ、横浜に原爆…都市伝説信じ行動決意か

 《植松聖(さとし)被告への質問は続く。弁護人は、措置入院から植松被告が退院する際の経緯に話を移していく》

 弁護人「措置入院から退院するためにしたことはありますか」

 植松被告「礼儀正しくしました」

 弁護人「ほかには」

 植松被告「安楽死させるという考えを言わなくなりました」

 弁護人「撤回、訂正しますといったことは」

 植松被告「そういうことは覚えていません」

 弁護人「そうしたらどうなりましたか」

 植松被告「1つずつ制限がなくなりました」

 弁護人「少し繰り返しになるが、あなた以外の人から事件について『こうしろ』と言われたことは」

 植松被告「ありません」

 《ここで植松被告は急に質問されていないことについて主張を始めた》

 植松被告「今は良いことをしてももうからないから、悪いことがはやっていると思います」

 弁護人「悪いことをしたほうがお金がもうかるということですか」

 植松被告「はい」

 弁護人「別のことを聞きます。興味を持っているカードはありますか」

 植松被告「あります。イルミナティーカードです」

 《イルミナティーカードはアメリカで20世紀末に発売されたカードゲームで、その図柄が「さまざまなできごとを予言している」と都市伝説になったカード。植松被告はこのカードにはまっていったという》

 弁護人「あなたはこのカードを持っていましたか」

 植松被告「インターネットやテレビで見ただけです」

 弁護人「カードにはどういうことが書いてあるのですか」

 植松被告「テレビコマーシャルに出ている俳優の足元に大金があることです」

 弁護人「どういう意味ですか」

 植松被告「お金をもらえれば何でも話すということです」

 《弁護人の質問に対し明快に答えているように見える植松被告だが、次第にかみあわなくなっていく》

 弁護人「ほかにはありましたか」

 植松被告「大切な要求をするときは拳銃を突き付けたほうが良い。あとは、日本が滅びると書いてありました」

 弁護人「いつ滅びるのですか」

 植松被告「多分、今年です。首都直下型地震の後、いろいろな問題が起きます」

 弁護人「ここは横浜ですが、横浜にも何かありますか」

 植松被告「6月7日か9月7日に、横浜に原子爆弾が落ちます」

 弁護人「カードに書いてありましたか」

 植松被告「漫画に書いてありました」

 弁護人「カードに書いてあることで実際に起きたことはありますか」

 植松被告「9・11(米同時多発テロ)、ビットコイン(暗号資産)、トランプ大統領について、そのまま書かれていました」

 弁護人「日本について書かれたことは」

 植松被告「3・11(東日本大震災)が書かれていました」

 弁護人「あなたについては書かれていましたか」

 植松被告「それは分かりません」

 弁護人「弁護人に渡したノートに5つの数字を書きましたね」

 植松被告「1、3、0、1、3という数字です」

 弁護人「どういう意味ですか」

 植松被告「意味はよく分かりませんが、聖なる数字だとうかがっております」

 弁護人「それもカードに書かれていたんですか」

 植松被告「はい」

 弁護人「誰を指すんですか」

 植松被告「それは分かりません」

 弁護人「カードを見て、どう思いましたか」

 植松被告「日本はやばい、と思いました」

 弁護人「誰かに話しましたか」

 植松被告「周りの友人です」

 弁護人「日本は滅びるからそうならないために何かしなければと思ったんですか」

 植松被告「だから社会に貢献しようと思いました」

 弁護人「事件につながる」

 植松被告「はい」

 弁護人「友人の反応はどうでしたか」

 植松被告「信じてくれる方と、信じてくれない方がいました」

 弁護人「その割合はどうですか」

 植松被告「(少し考えこんで)人生がうまくいっている、充実している人はあまり信じていなかったかもしれません」

 《「カードに影響されて事件を起こした」。弁護側の質問からはそうした事情が明かされたが、植松被告の思考回路をうかがい知ることは難しい。被告人質問はなおも続いていく》

=(7)に続く

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