ゴーン被告が会見で訴えた「拘置所のシャワー週2回」の実情

 1回あたりの入浴時間も施設長の裁量の範囲とされ、「1回15分程度が一般的」(村瀬氏)だそうだ。15分は短いような気がするが、収容人数も多いので、施設の管理運営上、その程度にせざるをえないという。

 風呂場に持ち込める物も決められている。刑務所の場合は、石鹸、シャンプー、タオルの3点のみ。タオルは体を洗うための手ぬぐいサイズを1枚だけで、大きなバスタオルは不可だという。

 「大きなバスタオルは体を隠したり、組み合わせてロープのように使ったりできるので、認められていません。自殺防止の意味もあります。刑務所にいる受刑者と拘置所にいる未決勾留の人とでは、風呂場で使える物品の範囲が異なり、未決の人の場合はリンスも使えます」(村瀬氏)

 裁判で有罪になるまでリンス可である。

 刑務所の受刑者には他にも制限があり、『刑事施設及び被収容者等の処遇に関する規則』の第26条で、男性の受刑者には週に2回以上、ひげそりを行わせると定められている(宗教上の理由などがある場合は免除)。拘置所にいる未決の人はひげを伸ばしたままでもいい。

 カミソリはT字型であっても刃物なので所有は不可で、入浴時に刑務官から借りてひげをそることになる。だから、入浴時は15分の間に体を洗い髪を洗って、ひげそりもしなければならない。ゆったり湯に浸かるヒマはあまりなさそうだ。

 夏場でも週3回しか風呂に入れないのは、人によっては辛いかもしれないが、「都市型の拘置所では全館エアコン完備のところもあります」(村瀬氏)といい、ゴーン氏が収容されていた東京拘置所もエアコン完備だという。環境としては、まだいいほうだったのだ。

 ●取材・文/清水典之(フリーライター)

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