また逃走…増える保釈、検察事務官の対応に限界

 神奈川県で6月、保釈中に実刑が確定した男が横浜地検の収容を拒否して4日間逃走した事件をはじめ、保釈中の被告の逃走は各地で起きている。最高検は収容態勢の強化を全国の地検に指示したが、現場では具体的な対応が取れていないのが実情だ。

 平成21年に導入された裁判員裁判などを背景に、裁判所は近年、被告の保釈を広く認める傾向を強めている。司法統計などによると、平成29年の全裁判所の保釈数は1万5520人。保釈を許可する割合(保釈率)は31・3%にのぼり、20年の14・4%(1万333人)から10年間で倍増したことになる。

 そうした中、保釈が取り消されるなどした被告が、収容間際に暴れるなどして逃げる事案が相次ぐ。

 神奈川県愛川町では6月、保釈中に窃盗罪などで実刑が確定した男が収容を拒否。検察事務官らに刃物を見せて逃げ、4日後に逮捕された。10月に起きた大阪地検岸和田支部(大阪府岸和田市)での逃走事件でも、被告の女が乗り込んだ車が急発進し、取り囲んだ検察事務官をはねて逃走した。

 被告の収容を担う検察事務官らは一般的に、抵抗する相手を取り押さえる訓練は受けておらず、装備も不十分との指摘は古くから根強い。元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「検察事務官だけでの対応には限界がある。逃走の危険性が高い被告の収容には、警察官が常に同行するなど制度を変える必要がある」と話した。

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