首里城火災 文化財417点焼失 放水銃、熱気で近づけず

 那覇市の首里城で主要施設の正殿などが焼失した火災で、首里城で保管していた文化財1570点のうち、417点が焼失した可能性が高いことが分かった。首里城の管理・運営を県から委託されている「沖縄美(ちゅ)ら島財団」の花城良広理事長が1日、明らかにした。

 火災発生後初めて記者会見した花城氏は、「ご心配とご迷惑をかけておりますことに対して深くおわび申し上げます」と頭を下げた。

 全焼した南殿の収蔵庫に保管・展示されていた県指定有形文化財の「白澤之図」などは防火扉の内側にあり、焼失していない可能性がある。ただ、防火扉の鍵が変形し、なお高温を保っているため、確認はできないという。

 一方、火元とみられる正殿周辺には放水銃と、建物の周囲で水を噴出させ延焼を防ぐ「ドレンチャー」が設置されていた。ドレンチャーは正常に作動したが、手動の放水銃は火災に伴う熱気のため、消火に当たった警備員が近づけなかったという。

 スプリンクラーは設置されていなかった。正殿など首里城公園の有料地区の管理は今年2月に国から県に移管されたが、警備体制の変更はなかったという。花城氏は防災機器の変更は県の権限とし、記者会見に同席した県の担当者は、国が設置した防災機器を引き継いだと説明した。

 火災前日の10月30日は、沖縄の伝統芸能「組踊」公演の準備のため、作業が行われてていた。午後9時に正殿内部での作業が終了。正殿の外での作業はそのまま続き、31日午前1時5分に関連業者66人が退出した。

 同日午前1時43分には警備員が巡回を行った上で、センサーによる警備に切り替えた。警報機が火災を探知したのは2時34分。警備員が正殿北側のシャッターを開けて内部を確認刷ると、煙が充満していたという。

 花城氏は「正殿や周辺で火を使うようなことはなかった」と説明。火災発生当時に正殿内で電気を使っていた機器は監視カメラとセンサーだけだったという。火災原因が放火である可能性について、花城氏は「今の時点で返答できない」と述べた。

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